Cat’s purr

トリアタマ用メモブログ

消えない記憶と過去のモノ


義経「ちくしょう…なんて気性の荒いガキなんだ」
弁慶「弁慶は気に入った! しかし、女を追ってこんなところまでとはね。いくら相手が桜姫でも」
義経「本当の相手なのかな」
弁慶「さあねえ…でも確かに、まだ子供のうちに、たった一人の相手に出会うやつもいる。俺も同じだよ、沙那王。あんたに初めて会った12の冬から…ずっと」


2013年は片づけがブームの一年だった。
自室は依然片付かないのに、片付け番組を見るのは好きで、中高生向けの「Rの法則 捨てられない特集」までチェックした。

この番組、モノを捨てられない女子高生がピックアップされてはいたけど、片付けの達人と一緒にお片付けするような内容ではなく、彼氏からの手紙とかデート先のパンフレットとか、捨てられない思い出の品紹介から恋愛話にシフトしていき、期待したのとは違ったけどつい見てしまった。

その高一のカップルはすごくラブいカップルだったんだけど、女子高生のつき合う平均期間は4ヶ月半なんだって。
4ヶ月半って短くない?
それくらいの頃って、いろんな相手とつき合って経験積む時期だから?
結婚とか意識しない分、さくさく次に進んじゃう感じ?
(自分の記憶はまったく参考にならない)


でも、学生のときに出会った人と一生一緒にいる人だっているだろうし。
中高生向けの番組を見ながら無駄に色々考えていたら、冒頭のセリフが浮かんできた。

「ほんの子供のうちにたった一人の運命の相手に出会ってしまうこともある」

これって誰のセリフだったっけ? 何かで読んだような、映画で見たような……。
でも結局思い出せないままその翌日。
まさか件のセリフを直接聞くことになるとは思わなくて驚いてしまった。

たまたま古いカセットテープを整理していて、インデックスのない謎のテープを試しに聞いてみたら、ラジオのオーディオドラマを録音したものだった。
例のセリフは、高河ゆん原作のコミック「源氏」の中のセリフだったのだ。

イムリーにも何十年も眠っていたカセットテープで聞くことになるなんてどういう偶然?
「アメトーク」の偶然を愛する芸人みたいな(テレビネタばっかりだ…)運命的な何かを感じながらも、それは、武蔵坊弁慶広中雅志)が沙那王義経井上和彦)に向かって、BL的な空気を醸し出しながら言ったセリフだった。
私はそんな言葉を、何十年も経ってからフッと思い出すほど胸に深く刻んでいたんだな…。
高河ゆん好きだったよね…。



高河ゆんと言えば、LOVELESSの12巻が発売されたけど、今回はまだ買ってない。
先日、「過去にとてもいい関係だったけど、現在の関係は終わっているもの」に該当する本をたくさん処分したんだけど、その中にLOVELESSや源氏やアーシアンとかもあった。古い少女マンガが大半で、昔は手放すことなど一生ない、と思うくらい好きだった作品だ。

LOVELESSはいつも発売日に買っていて、全巻初回限定版の小冊子付きだった。それでも最近は正直惰性買いだったので、作品はまだ終わってないけど思い切って全部処分した。
話の結末は気になるから新刊が出たら読もうと思っていたけど、いつか連載が終わったときにまとめて読むほうがいい。すぐに読みたいわけじゃない本を、断捨離途中の部屋に持ち込みたくない気持ちのほうが今は強い。
好きだった気持ちは変わらないけど、私にとってこの作品が過去のモノになったってことなんだろう。

好きなものとの関係が終わったと思えるなんて、以前は考えられなかった。
マンガやアニメに夢中になっていた自分とさすがに卒業しつつあるみたい。
オタクに卒業はない、と思ってたんだけど、昔と同じ熱量ではないというか。いい年してそんなの当たり前なんだろうし、一般人と比べたら今でも十分オタクではあるんだけども。
好きだったものを手放しても、好きだったことは変わらないということが理解できたのはとても大きな変化だった。


久し振りに聞いた源氏のオーディオドラマは今でもすごく楽しめた。
でも、まだこの作品って未完なんだよね。
最後まで読んでみたかったな。
ドラマのカセットテープは、一度聞いてから他のと一緒に断捨離した。
学生のとき、友達がダビングしてくれた大事なテープだった。
今まで本当にありがとう。



惰性買いをやめた作品には、タクミくんシリーズ(ごとうしのぶ)なんかもある。このシリーズは、来年早々、最終巻の「Station」が発売されるそう。
最後の話が「Station」だということは作者によってずーっと前から予告されていて、ファンはずっと待っていたんだけど、ファン自身が死ぬ前に読めるだろうかと相当心配されていた。それがついに発売になる。
この作品はずっと前に卒業してしまっていたけど、やっぱり最後は読みたいので、今から楽しみにしてる。
しばらく離れていた分、今読んだら新鮮な気がする。
やっぱりオタクに卒業はないのだった。