Cat’s purr

トリアタマ用メモブログ

浅野祥 LIVE TOUR 2008 祥CASE Vol.2 -UTAGE- in 仙台

津軽三味線奏者、浅野祥のコンサートに行ってきた。

地元でツアー初日を迎えた、仙台出身の祥くん。
登場すると、「皆さんこんばんはー!!!!!」と挨拶。マイクが割れるほど元気すぎて、満席の会場が若干たじたじに。そして、「帰ってきたよー! いぇーい!!!」と、袴姿でぴょんぴょん飛び跳ね、地元人の心をバッチリ掴んでいた。(笑)

観客はあらゆる年代の人が男女区別なく来ているようだけど、若干年配の人が多めで、若干女性が多かったかな? 
前半は三味線の古典を中心に、色々な民謡の話を交えたトークショー風味。後半は会場も一緒に盛り上がれる曲のライブ、といった感じの2段構成。2時間以上のコンサートは本当に楽しかった!


いろんな音楽のジャンルの中で、いちばん好きなのは民謡だと言う祥くん。今回は、特に動物や昆虫など、人間以外の生き物をテーマにした民謡のことをいろいろと紹介してくれた。
民謡の歌詞をじっくり聞くのは始めてだったけど、これがすごくおもしろい。田んぼで暮らすバッタ夫婦の気持ちを擬人化した曲など、こんなにほのぼのした世界だとは知らなかった。

ツアー後半は内容が変わるそうなので、各地に追っかけて行きたいくらい、トークも演奏もおもしろくて、幸せな時間だった。また行きたい!




浅野祥という津軽三味線奏者に興味を持ったのは、地元で放送された彼の特集番組がきっかけだった。
今まで三味線の音楽や民謡にはあまり馴染みがなかったけど、何気なく見ていたテレビから彼の「津軽じょんから節」が聞こえてきたとき、その音の強さに圧倒されて忘れられなくなってしまった。それで、ダウンロード販売で購入したのが最初だ。
津軽三味線の音が気持ちよくてヘビロテしていたら、いつの間にかものすごく好きになっていて、他の曲も聞きたくてファーストアルバムを買ってしまった。

そのアルバムですっかりハマった。買ったアルバムの収録曲を半分くらい気に入れば大体満足だけど、全曲いいなと思えるものはなかなかないと思う。だから、これはちょっと見つけちゃったな、という感じだった。
古典の曲、カバー曲、オリジナル曲とバリエーションがある中で、ひときわ異彩を放っているのがやっぱり「津軽じょんから節」だ。曲の持つ緊張感も収録されている感じがする。厳かなこの感じは、祥くんにとって特別な曲なんだろうか、という気がしてしまう。


タイトル曲の「祥風」もお気に入り。キーボードと三味線がセッションしているこの曲は、エレクトーン奏者の藤井洋くんとの競演だ。元々好きなアーティストと祥くんが、偶然にもコラボしていてびっくりだった。

この曲を今回のライブで聞くのがすごく楽しみだったので、イントロが始まったときはめちゃくちゃ嬉しかった。アドリブはあるかなと期待していたら、やっぱりソロ部分のアレンジがCDとは違っていて、初めて生で聞けた嬉しさと感動でちょっと泣きそうになった。(笑)
エレクトーン界のプリンス藤井くんは残念ながら来ていなかったが、三味線パートのないキーボードのソロ部分で、祥くんがみんなに手拍子を求めるジェスチャーをしつつ、くねくね踊っていたのが可愛かった。(笑)




祥くんの音楽は、インスト系が好きな人は絶対好きだと思う。映画音楽とかアニメ・ゲームサントラが好きな人には超お勧め。

津軽三味線の強い音がめちゃくちゃカッコいい。津軽じょんから節は、目をつぶると顔に風雪がビシビシッと当たるような、しばれる感覚になる。(笑)
寒さの厳しいところで生まれた音だと思う。強い音ときれいなピアニッシモが本当に気持ちいいのだ。今回はじめて生で三味線の音を聞いて、その音の迫力に圧倒されてしまった。


津軽三味線の天才奏者と言われている祥くん。
でも三味線のことをよく知らない上に、彼以外の津軽三味線をあまり聞いたこともない私にはそのすごさはわからないので、普通に音楽として聞いてしまう。
クラシック音楽も好きだが、その演奏の巧さについても素人なのでわからない。だから、私にとってはその曲が好きか嫌いかだけが重要。それと同じ感じで、三味線のことはよくわからないけど、彼の音楽がとても好きだと思う。


オリジナル曲の優しい楽しい感じも好きだし、古典曲のはりつめたような空気も気持ちいい。
勝手な想像だけど、私が今まで聞いてきた色々なアーティストの曲が「俺の歌を聞け」な感じだったとすると、祥くんの音楽から伝わってくるのは、「三味線がすっごく好き」ということで、それがなにかもう、聞いていて嬉しくなってきてしまう。
比べてどうこうということではなくて、それぞれの音楽の表現なのだろうけど、祥くんの音楽を聞いてると、不思議と私も三味線が大好きになってくるのだ。それが本当におもしろいと思う。


祥くんの特集番組の中で、劇団WAHAHAの公演に参加していた祥くんを見ていた彼のご両親が、「ずっと三味線を好きでいてくれるといい」と言っていたのがとても印象的だった。
三味線大好きな祥くんを見ているとこっちまで幸せになってくるから、ご両親の気持ちに思わず共感してしまった。(笑)


もうすぐセカンドアルバムが発売になるらしいのだが、びっくりしたのが、これにもじょんから節が入っているということだ。
これから発売される彼のアルバムには、毎回必ずじょんから節が入るのだろうか。その度に進化するじょんから節を聞かせてくれるような気がする。聞き比べたりするのもすごく楽しそうで、今からとても楽しみだ。






祥風
祥風 (1st Album)
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浅野祥
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5 びっくりです。


宴
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5 オリジナル曲が楽しい!





自分用祥くんリンクメモφ(.. )


○ 浅野祥特集(リンク切れ)

17歳の響き〜津軽三味線・浅野祥の世界〜

進化する響き〜津軽三味線奏者・浅野祥の挑戦〜


○ 2008年ライブレポ

ライブに参加されていた三弦小田島流の名取さん、たらさわかすみさんのブログ
祥くんライブUTAGE - tara's blog


たらさわさんのお母様、宮城を中心に活躍する民謡歌手、庄司恵子さんのブログ。
文章までもが宮城弁だ!(笑)
祥君ライブ終了! - keiko's bolg


○ セカンドアルバムの記事
引用長すぎだけどいい記事すぎて削れない。(笑)

Crossroads:津軽三味線の浅野祥 今までにないジャンル、CDに - 毎日jp (リンク切れ)

◇ジャズやバラードと溶け合わせ
 新鮮な感性でクラシックやジャズと共演し、津軽三味線の世界を飛躍的に広げている浅野祥。「今までにないジャンルを表現したい」と2枚目のCD「宴」(ビクター、10月22日発売)では、自作の曲でジャズやバラード津軽三味線を見事に溶け合わせた。【梅津時比古】

 津軽三味線に悲哀や情念を聴く人は多い。それは、盲目の津軽三味線弾きらが各家の前で弾いてお金をもらう「門付け」などの歴史を抱えているからだ。
 最近は、津軽三味線とロックの共演が目立つ。それも、ロックの反体制的なにおいが津軽三味線の情念に重なる要素があるためだろう。

 仙台で民謡教室を開く祖父に5歳のときから手ほどきを受けた浅野は、まさに津軽三味線の申し子と言える。だが、その音に暗い情念は感じられない。
 「津軽三味線がそういう歴史を持っていることは誇りに思います。同時に、津軽三味線津軽のものを弾くためだけの楽器なの?という思いもあります」

 小学生のころは「津軽三味線はダサい」と思い、自分が弾いていることを友達に知られるのが恥ずかしかった。小学2年からは「楽譜を読めるようになりたい」と自らピアノも習い始めた。
 小学生時代から津軽三味線の全国大会で毎年のように優勝している。「あるとき、自分がしていることを恥ずかしがることはない、と気持ちが切り替わりました」
 それからは一直線。楽器としての津軽三味線そのものから新しい多くの可能性を見いだすことにかけている。

 7月のオランダツアーでは、初めてクラシックの演奏家と共演した。
 「スティーブンというオランダ人チェリストの音にノックアウトされました。同じドの音でも5種類ぐらい持っていて、温かく、深い。自分の音は細いし、迫力がないなあ、と。ああいう音を出したい、と痛烈に感じました」
 オランダから帰国後に録音した「宴」には、スローな曲にその思いが感じられる。もともと素晴らしいリズム感と、津軽三味線には珍しい繊細なピアニッシモが傑出しているだけに、そこにより多彩な音が加われば、魅力が倍加する。
 「音の余韻を大切にしたい。音のないときでも演奏しなければ、と思います」
毎日新聞 2008年9月9日 東京夕刊


○ 浅野祥紹介ページ

ライブの演出家喰始さんの劇団、WAHAHA本舗のスタッフブログ
今回のゲストの浅野祥さんとは、いったいどんな方なのか? - 喰始のショービジネスの作り方

音楽関係者の方から聞いた話ですけど、浅野さんの三味線を初めて聞いた時に
「なんてキレいな音色だ!」
「17歳だから出せる音色だけれど
 17で出せる音色ではない!」
と思わせる、すなおな音楽だと言わしめた!

三味線王子!!一見の価値有りですよ!!


アップルの特集ページ。写真もあり。
ボクたちの街に響く音 仙台+浅野祥 - アップル

子供の頃からあまりにも三味線に興味がありすぎた。


・ 浅野祥 津軽じょんから節口座